手の形よりも大切なこと

【手の形に気をつけて弾こうね】
ピアノを習ったことがある方なら一度は必ず言われたことがあるはず・・の
この言葉、お子様の年齢によっては手の形よりもその前に大切なことがあるかもしれません。

  • 子どもの発達は身体の中心から外側に向かって
  • お子様の発達段階を知る
  • 指と頭(脳)をつなげる

 

【子どもの身体の発達は中心から外側に向かっている】
例えば絵を描くとき、子どもはこのような順でいろんな形を描けるようになっていくものです。

点→直線→曲線→円

これは

肩→肘→手首→指先
とコントロールできる範囲が増えていくからです。
幼児でも字を書ける子はたくさんいますが何となく不恰好だったり、
逆さ文字、鏡文字になってしまう子も多いのは「図形の方位知覚が未発達である」ことと「まだ指先が自在に動かせない」からです。

 

【お子様の発達段階を知る】
手首がようやくコントロールできるようになったばかりの子に、
「指先をもっと立てて丸くしてね」「指番号を守ってね」という指導は
間違ってはいませんが、発達段階として難しいのです。

ましてや演奏しながら「指先と手全体の形にも気をつけてね」なんて言われたら
頭がこんがらがってしまう・・のは当然です。

 

【指と頭(脳)をつなげる】
手の形よりも大切なことはこれです。
まずは一つ一つの指と頭を楽しくつなげることが必要です。
ピアノの上でなくても構いません。
テーブルの上やお風呂の中などでリラックスしながら、
お子様の手を広げて「この指動かしてみよう!」と指先を触ります。

最初はうまく動かせる指とそうでない指があると思いますが、1週間もすれば
慣れてきます。
保護者の方や先生と指を動かす速さを競ったり、そこに指番号をプラスしたり・・
ゲームのように楽しみながら、まず指と頭をつなぎ自在に動かせる指を作りましょう。

気をつけることも段階的に、発達に合わせて。
もちろん教材選びや選曲も。
導入期にできることは「手の形」の前にたくさんありますよ♪

もちろん最終的には姿勢や手の形、指の使い方など良い音を出すためには気をつけなければいけないことがたくさんあります。
今必要な指導は何か、目の前のお子様の様子を見て判断していきたいですね。

 

参考資料:「知っておきたい 幼児の特性」音楽之友社
中嶋恵美子 著

 

とても勉強になる本です。
導入期のレッスンをされる先生方にもおすすめです!

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