演奏するうえで一番大切なことってなんだと思いますか?
才能?
技術?
感性?
表現力?
環境?
本人の意欲?
親のサポート?
先生?
・・・どれも大切かもしれませんが、私は「よい音が分かる耳」だと思います。

自分の音をよく「聴ける」耳。
大抵の方は自分の音は聞いていますが、「聞こえている」で止まっています。
「こんな音で弾きたい」というイメージがあって、それを表現するにはどんな音が適切で、どうやったらその音が出るのかが分かる、最後にその通りになっているか「耳で確認する」。これが演奏する人の耳の使い方です。
子どもには難しすぎる?そんなことはありません。
できそうなことから始めて、注意を向けて聴くやり方を教えてあげることで「耳を育てていく」。
だから生の楽器を使い、先生も音を出しながら指導をします。
<おうちでできる、お子さんの耳を育てる方法>
レッスンだけではなくおうちでもよい耳を育てる方法はあります。
①日常的にクラシック音楽をBGMとして流す
②コンサートに親子で行く
③たくさん歌をうたう
④いろんな楽器を触ってみる
①日常的にクラシック音楽をBGMとして流す
難解なクラシックである必要はありません。誰でも一度は聞いたことのあるような耳なじみのよいクラシックで十分です。
例えば運動会の時に流れていた曲、CMでよく使われている曲、子ども向けコンサートでおなじみの曲など、親しみやすいクラシック曲から始めましょう。
クラシック音楽は当時の最先端の音楽、はやりの音楽でした。
なので必ずキャッチ-で人を惹きつける工夫があり、よく聞くとかっこいい!きれい!歌いたくなる!ノリがいい!すぐ覚えられる!そんなメロディーばかりです。
例えば
・威風堂々(エルガー)
・惑星より”木星”(ホルスト)
・くるみ割り人形より”花のワルツ”(チャイコフスキー)
色々なサブスクにも有名クラシックプレイリストのようなものがありますね。
できれば最初はオーケストラの楽曲をお勧めします。緩急が分かりやすく、多くの楽器が使われているので音色も豊か、イメージが沸きやすいからです。
(もちろんピアノ曲やヴァイオリン曲、など各楽器ごとの名曲もたくさんあり、ある特定の楽器が上達するにはその楽器の名曲をどれだけ知っているかも大きく関わってきますが、ここでは初心者の方を想定しています。)
クラシックには典型的な型や作曲家の曲風、時代ごとの曲の特徴もあります。
そういったものに自然に親しんでおくことは「知っている」ことを増やし、興味を惹きます。
それは「知りたい」「聴きたい」の土台になり、耳と心を開きます。
②コンサートに親子で行く

子どもたちはご両親が大好きです。ご両親が好きなものは自然に好きになり、そうでないものも似ていることも少なくありません。ぜひ親子で一緒にクラシックコンサートに足を運んで、生の演奏を楽しんでみてください。
親子でレッスンや日々の練習以外のことを一緒に話してみてほしいのです。
「あの曲、かっこよかったね」「指揮者ってあんな風に動くんだね」「あの楽器はあんな音がするんだね」
こういった会話の積み重ねが、音楽にアンテナを張る土台になりますし、何よりも質の良い音楽をたくさん耳にすることは、よい音の引き出しをお子様の中に作ってあげることになります。
当教室では、日本フィルの夏休みオーケストラへ教室イベントとしてみんなで行こう!という企画をしていて、毎回たくさんの生徒さんご家族も参加してくださいます。また地元でもっと気軽に生演奏を聴く機会を増やしたく、年に一度程度ファミリーコンサートを企画しています。(「コンサート行ってくださいね~」だけにはなりたくないのです☺)
③たくさん歌をうたう
歌をうたうと音程、リズム、拍子、形式が自然に身に着きます。
また言葉を大切にし抑揚をつけて表現することも、自分の声で一旦体を通すことで腑に落ちるものです。
演奏の指導の際に「歌うように」という声をかけられたことがある方も多いのではないのでしょうか。
どんなジャンルでもよいですが、子どもたちにとって音域的に歌いやすいものは「童謡」です。
言葉を獲得することにもつながりますので、子供向けの歌・手遊び歌なども積極的に歌いましょう♪
流行りの歌・好きなアーティストの曲を一緒に歌うのもいいですね。
④いろんな楽器を触ってみる
音そのものに興味が沸く、音を出す楽しさを感じるには本物を触ることです。
いろいろな楽器を触りましょう。
学校や園で使う物からなかなか普段は触れないものまで、機会は探せばあるものです。
最近ではコンサートの前後にオーケストラの楽器を触らせてくれる企画もありますね。
もっと身近なところでは、教室の楽器もおうちのものとは違う場合が多いのではないでしょうか。
おうちの音とどんな風に違うのか、混ざり方、響き方はどうか(おうちが電子楽器の場合、生のピアノとは音の消え方が随分違います)親子で聞いて話してみましょう。
耳を育てることは楽器の上達には欠かせません。
なんだか練習しているのにうまくならないなぁ~という時は”聞こえている”の状態で止まっている可能性もあります。
ぜひレッスンで耳の使い方を教わりながら、ご家庭でも耳を育てていきましょうね。
湘南台・六会日大前のリトミック&ピアノ教室Andante